【書籍紹介】日本の名作にふれよう!②@おゆみ野・鎌取駅前・ちはら台校

2019年06月11日

こんにちは!トライプラスちはら台校の梶田です。

今回は日本の文豪の名作に触れようということがテーマです。

 時を経てもなお高い評価をうける作品に触れるということは、どういったところが評価されているのか。

自分の共感できる部分は何なのか。

その時代時代における背景を知っていくことで自分の感性を磨いていくことができますね!


「山月記」中島敦

今回は日本の文豪の名作に触れようということがテーマです。

 時を経てもなお高い評価をうける作品に触れるということは、どういったところが評価されているのか。

自分の共感できる部分は何なのか。

その時代時代における背景を知っていくことで自分の感性を磨いていくことができますね!

 

今回私が紹介したい作品は中島敦さんの「山月記」です。

高校の教科書にも載っていたので、目にした方も多くいるかと思います。

文体としては漢文調のため、少し難しく感じるかもしれません。

しかし、中学生のころから三国志や水滸伝にドハマりしている私は好きな文体です!

トライプラス 書籍紹介 山月記 中島敦

唐代の中国に李徴という男がいた。

故郷では「鬼才」とまで呼ばれ、若くして科挙に合格し地方の役人になるほどの人物だった。

しかし質の悪い生活は彼には耐え難く、詩作の道に進むことを決断するが、芽はでない。

李徴は妻子を養うため再び下級役人の職に就くが、かつて見下していた連中が出世しているのを見て、自尊心はボロボロになる。

ある時、限界を迎えた李徴は、夜中に野山へ駆け出したかと思うと、不思議なことに虎になってしまった。

虎として、理性が徐々に失われる中、古い友人の袁傪に出会う。

袁傪に対して、自作の詩を披露し、「尊大な羞恥心」と「臆病な自尊心」によって化け物になってしまったことを語る。

やるせない境遇を吐露し、自嘲する李徴に同情の念を隠せない袁傪。

「妻と子供のことを頼む」という李徴の頼みに、涙を流しながらうなずいた。

月光に照らされる中、李徴は虎の姿を友にさらし、草むらに消えていくのだった。


主人公「李徴」とは

李徴は才能にあふれる優秀な人物ではありましたが、

自分の力を過信する我の強い人物でもありました。

そんな彼の経歴は、


役人→詩人→役人(再就職)→虎


という風に変化していきます。

 

無能な上司の下について働いていくよりも、詩人となって後世に名を残そうとします。

しかし、夢破れ生活のために役人として再就職するも見下していた元同僚は出世。

そんな中働いていたある日、発狂して虎になります。

 

虎になってからの李徴のセリフはどこか自嘲的になっています


「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」

臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」とは高校の定期テストにも出てくるほどのキーワードです。

 

虎になってから森の中で遭遇した李徴の数少ない友人の袁傪。

その友人との語らいの中から、

 

・なぜ虎になってしまったのかの自己分析

・今後の李徴にとっての幸せとは?

 

といった会話があります。その中で臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」は出てくるのです。

これが一体何を意味しているのか、何を思って出てきたのか…。

際に読んで皆さんで考えてみてください。


まとめ

人間は誰しも猛獣使い」だという李徴のセリフにもありますが、

 

私たちの心にも虎がいます。

 

自分の心に振り回されてはいけないという意味では、李徴の姿は万人の反面教師ですね。

ぜひ一度読んで、味わってみてください。

中島敦の小説は「李陵」や「弟子」などもおすすめ。これらは、同じ文庫の中に収録されていました。

山月記とくらべて少しばかり長編になります。

個人的には漢の将軍の話の「李稜」

孔子の弟子の話の「弟子」も読んでいておもしろかったです!

是非一度ご覧あれ!


中島敦 略歴

中央公論』の公募に応じた『虎狩 (1934) や,代表作『山月記』を含む『古譚 (42) ,『光と風と夢』 (42) で作家としての地位を確立。

パラオ南洋庁書記の職を辞して作家生活に入ろうとしたが,持病の喘息のために夭折した。

没後,『李陵 (43) ほか『弟子』『名人伝』などが相次いで発表され,非凡な才能が高く評価された。

[]1909.5.5. 東京

小説家。漢学,中国文学に造詣の深い儒学の家の生れ。

1933年東京大学国文学科卒業。